コロナウィルスが世界的な感染拡大をみせるなか、世界経済が大混乱になってますね。
1日でダウ工業株が2000ドル以上、日経平均株価が1000円以上乱高下し、為替も毎日ものすごい動きをしていますね。
原油価格も2月下旬に1バレル50ドルくらいだったのに、2週間で30ドルまで下落しました。
原油は40%も安くなったってことです。
てことは、ガソリンが今よりも40%安くなる!って喜んだあなた!
甘いです。ぬか喜びです。
そんなに安くはなりませんよ。
では、なぜそこまで安くならないのか?
わかりやすく解説してみたいと思います。
原油価格が40%も安くなった!
まず、原油価格の単位はバレルです。
バレルは、液体を計る単位であって、ウソや不倫を計る単位ではありません。ここは間違えないようにしましょう。
バレルは訳すと【樽】ということです。つまり1樽いくらで計算するわけです。
原油の1バレルは159リットル。計る液体によって多少前後しますけど。
その原油が40%も安くなったのに、ガソリンがそこまで安くならないのはなぜなのか?
ガソリン価格は税金だらけ!
計算しやすいようにガソリンの販売価格が150円だったとしましょう。
仮に原油価格が50ドルから30ドルに下って安定し続けたとしたら、150円の40%、60円安くなって90円になるはずです。
でも絶対になりません。
なぜか?
なぜなら1リットルあたりの税金は変わらないからです。
揮発油税
揮発油税(きはつゆぜい)って聞いたことありますか?
あまり聞き馴染みがないと思いますが、分かりやすく言うと【ガソリン税】です。
ガソリンを日本語にすると揮発油ということなんですが、この記事では、分かりやすくするために以後、ガソリン税で統一しますね。
では、このガソリン税って1リットルあたりいくらが知ってますか?
正解は
53.8円です。
以外と高いと思いませんか?
しかも、この税金はまだ正式に施行されているわけではない、いわゆる【暫定税率】なんですね。
2009年に民主党が政権与党になったとき、これは暫定税率だから、次年度の徴収は許しません!と国民受けを狙った駄々をこね、ガソリン税の延長を否決したときに一時的に4月の1ヶ月だけガソリンが激安になったのを覚えている方も多いと思います。
結局、本当にこのままガソリン税を徴収しないと日本がつぶれかねないため、5月から通常通りの価格になったので、4月の最終日にガソリンスタンドに並んだ方も多いことでしょう。
さて、
この記事を書いているとき(2020年3月)のレギュラーガソリンの全国平均価格が132円です。
ということは、ガソリン価格の実に40.6%がガソリン税なんですね!!
さらに細かく計算すると132円から消費税12円を引くと120円が税抜き価格になりますから、そこからガソリン税の53.8円を引いた66.2円がガソリン本体の値段ということになります。
つまり、計算式にすると66.2円(ガソリン)+53.8円(ガソリン税)+10%(消費税)=132円ですね。
この式、なんか引っ掛かりませんか?
そう!
ご存じない方が多いと思いますが、
ガソリン税にも消費税がかかっているんですよ!!
税金に税金をかける、つまりナウく言うと【TAX ON TAX】ってやつです。
ガソリン税は先ほど言った通り53.8円ですが、これに消費税が加わりますので、実質的にはガソリン1リットルあたり59.2円の税金がかけられているってことになります。
これにガソリンにかかっている消費税6.6円を足すと65.8円。
132円に対してガソリンは66.2円で税金は65.8円となり、今のガソリン価格のちょうど半分が税金ってことになりますね。
こりゃまいった
こんなに税金がかけられていたんですね。
ガソリンと軽油、どっちが高い?
では、軽油のほうはどうなんでしょう。
最初に注意しておきますが、軽油はディーゼル車の燃料であって、決して軽自動車の燃料ではありません。
今ではだいぶ減ったらしいですが、セルフスタンドが普及し始めたころ軽自動車に乗った人が、【軽油】の表示を見て【軽自動車専用の油】と思い込み、給油する人が多くいたそうです。
その軽油ですが、ガソリンと比べて販売されている価格は安いですよね。
だいたい20円くらい。
実際、2020年3月の軽油の販売価格は111円です。
ガソリンよりも21円安いですね。
では、軽油の税金はどうかというと
32.1円です。
しかも消費税はかかりません!!
つまり、ガソリン税が消費税込みの実質65.8円で軽油税が32.1円ですから1リットルあたりの税金の差が33.7円もあるってことです。
理由は定かではありませんが、私が推測するに軽油を主に使うのはバスやトラックですね。
バスやトラックには業界団体があります。
どちらの団体も日本中の運送会社やバス会社を一つにまとめた団体ですから、一定の力があります。
燃料に税金をかけようってなったとき、【冗談じゃないよ!こっちはライフラインの一部として日本全国走り回ってんだから、ガソリンと同じ税金払えなんていったら怒っちゃうよ!ストしちゃうよ!】なんてことになったらかなわないので、【ガソリンよりは安くしますので、これくらいでなんとか・・・てへっ】なんてことがあり、
また、消費税にしても下手に軽油税にかけて、【冗談じゃないよ!こっちはライフラインの一部として日本全国走り回ってんだから、軽油税に消費税なんかかけたら怒っちゃうよ!ストしちゃうよ!】なんて言われたらかなわないので、【ガソリン税にはコッソリかけちゃいますが、軽油税には消費税はかけませんから・・・てへっ】なんて忖度したんじゃないかと思います。
本題
では、軽油自体の価格はどうなんでしょう。
まずは111円から軽油税32.1円を引くと、78.9円。
78.9円から消費税7.2円を抜くと71.7円となるので、
ガソリンは66.2円
軽油は71.7円
つまり、油本体の価格は軽油のほうが安いことがわかります。
では、それぞれの現在価格を計算式でおさらいしておきましょう。
ガソリン
66.2円(ガソリン)+53.8円(ガソリン税)+10%(消費税)=132円
軽油
71.7円(軽油)+7.2円(消費税10%)+32.1円(軽油税)=111円
です。
さいごに
では、本題の原油価格の下落率とガソリンの販売価格ですが、ガソリン価格が40%下落したとして
66.2円-26.5円(40%)+53.8円(ガソリン税)+10%(消費税)=98.9円となるので、店頭の販売価格は25%しか安くならないことになります。
わかりやすく極端な数字で例えてみますね。わかりやすくするために消費税もとっぱらいます。
【例】
ガソリン本体の価格が100円でガソリン税も100円とすると、私たちが買うときには200円です。
ある日、日本でかつてないほどの大油田が見つかり、ドバドバと油が噴き出してきて原油価格がアホみたいに暴落しガソリン価格が1円になったとすると、ガソリン本体が1円でガソリン税が100円なので、101円になります。
つまり、ガソリン自体は100分の1の値段になっても私たちが買うときは半分の値段にしかならないということですね。
極端な数字を使いましたが、こういうことなんです。
だからなんだと言われれば、なんも言えないんですが、そんなこともちょっと頭の片隅にでもメモリーに余裕があれば保存してみてください。
ちなみに、ガソリン税と軽油税が生まれた経緯は、戦後モータリゼーションの普及で自動車の台数が急激に増えたが、道路整備をするお金がなかった。
そこで【道路を作るお金は道路を作る人に出してもらえばいい】という考えから生まれた税金なんですね。
結局、この税金によってこれだけの道路が整備されたわけですから、便利に早く移動するためには仕方ないのかもしれませんね。
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