山梨県北斗市にある「サントリー白州蒸留所」に見学ツアーに行ってきました!!
2014年、ウィスキーを扱った【マッサン】という朝ドラが放映されましたね。
主役を玉山鉄二さん、その妻を日本語がしゃべれなかったけど、猛勉強の末かなり話せるようになったアメリカ人女優のシャーロット・ケイト・フォックスさんが演じ、話題を呼びました。
当時、この「サントリー白州蒸留所」の見学に行きたかったのですが、人気があり見学の予約が取れず諦めていたのですが、今年になってようやく行くことができました。
ウィスキー博物館
駐車場に車を停め、脇にある入り口ゲートで受付をします。
事前予約をしていたため、受付はスムーズです。
ウィスキーファンの人は事前予約は必須です!!というのも、見学ツアーの最後にある試飲は事前予約をしないとできません。
また、運転手は試飲できませんので、必ず飲まない人の運転で来るか、公共の交通機関を利用して訪問してください。
それと、この試飲付きのガイドツアーは一人千円かかりますので、ご承知下さい。
さて、ガイドツアーの集合場所でもあるウィスキー博物館1階に行ってみます。
白州の看板や木製の扉がいい雰囲気です。
集合場所のホールに行くと、サントリーがウィスキーを作り始めたころのポットスチル(蒸留釜)があります。重厚感抜群です!!
この建物は3階建てなんですが、ツアーのコースになっていないので、ツアー開始までの待ち時間に勝手に見学します。
まず、目に留まったのがこちら。
1937年ものの未開封の角瓶です。
封を切らなくても7割くらい揮発していますね。
飲んだらどんな味がするんでしょうか。
年代物ののサントリーウィスキーが並んでいます。
みんな未開封ですね。さすがです。
こちらは禁酒法以前のウィスキーを運ぶためのT型フォードトラックです。
荷台にしっかりとウィスキー樽が積まれていますね。
醸造・蒸留棟
そんなこんなしていると、ツアー開始時間になりましたので、ガイドさんの説明を聞きながら徒歩で醸造・蒸留棟に移動します。
仕込
ウィスキーは大きく分けてモルトウイスキーとグレーンウィスキーに分けられます。
モルトウイスキーは大麦だけを原料に使うのに対し、グレーンウィスキーは大麦やとうもろこしなどいろんな穀物を原料とします。
グレーンとは原料として使用するいろんな穀物をひっくるめた呼び方なんですね。
ここで作られている白州というウィスキーはモルトウイスキーになります。
では、ウィスキーの製造工程を順を追って見ていきましょう。
まず最初の工程は【仕込】です。
大麦を発芽・乾燥させ麦芽にします。その麦芽を細かく砕き、水と共に仕込槽と呼ばれる大きな樽のようなものに入れます。すると酵素の働きによりデンプンが糖に分解された後、ろ過し澄んだ麦汁になります。
発酵
続いては【発酵】になります。
ろ過した麦汁を木桶の発酵槽に移し、酵母を加えると麦汁の糖を分解してアルコールと炭酸ガスに変え香味成分を作り出します。
木桶の大きさが分かりづらいと思いますが、直径と深さがだいたい5メートルくらいあるバカでかい桶なんです。
中を覗くと、泡がプクプクして発酵してますね。
蒸留
発酵が終わると【蒸留】を行います。
発酵によってできたもろみをポットスチルという金属製の蒸留釜で、2度蒸留することによってアルコール濃度の高いニューポットと呼ばれる無色透明なモルトウィスキーが生まれます。
この蒸留施設は入れませんでしたが、照明が釜に反射し、川崎の工業地帯の夜景みたいできれいでしたよ。
出典:https://gurutabi.gnavi.co.jp/
↑ 川崎の夜景ですが、ちょっと違うか^^;
さて、ここまでで蒸留棟はおしまいです。
ちなみに、仕込から蒸留まではおよそ2週間くらいだそうです。
貯蔵庫
醸造・蒸留棟を後にし、バスに乗って数分ゆられると今度は貯蔵庫に到着です。
ガイドさんから「中に入って気分がすぐれなくなった方は必ず申し出てください」
との注意が・・・。
なんのこっちゃ?と思いながら貯蔵庫に入って納得!
マッサンいうところの【ウィスキーのスモーキーフレーバー】が半端じゃありません!!
完全に匂いだけで酔っぱらうことができます。
景色も壮観です。
1樽180リットルのウィスキーがこの貯蔵庫だけで2万本!!!
それが、この蒸留所だけで10棟の貯蔵庫がある!!
ってことは、ここには20万本あるってこと!?
さらにサントリーはここの他に2か所の蒸留所があり、3か所合計で120万本の樽があるんですって!!
想像ができません・・・。
ここで作られているウィスキー【白州】は人気があり、2019年現在大変品薄となっているため、ほとんど見ることも飲むこともできません。
単純に作って熟成させてといっても、ここにある2万樽のウィスキーは全て味も香りも違うらしく。
同時に作ったものであっても、入れる樽や置く場所によっても味や香りが違うそうです。
そのため、サントリーにも数名しかいない【ブレンダー】と呼ばれる、ワインでいうソムリエのような人が1樽1樽味と香りを確認し、ブレンドすることで【白州】というウィスキーが出来上がります。
ウィスキー、奥が深いですね。
この2つの樽は熟成具合を見やすくするために、アクリル板を使って後方からライトを当ててくれています。
左のほうが若い樽で、向こうのライトが見えるくらい澄んでいますが、右のほうは揮発し色が濃くなっていて、向こうのライトが見えにくくなっています。
イメージ的には右のほうがアルコールもきつそうですが、実際はアルコールも揮発するのでアルコール濃度は薄くなるんです。
見学を終えると、最後に試飲ができます。
最初に言いましたが、試飲ができるのは①見学以降運転せず②千円のガイド付き見学ツアーを➂事前予約した人だけが可能となっています。
席にはこのように4種類のテイスティンググラスが用意されており、左の2種類は原酒で右の2種類がここで作られている【白州】です。
ガイドさんにしたがって、まずは➀のホワイトオーク樽原酒を一口。
口から喉と食堂を通り、胃に熱いものが伝っていくのがわかります。
あれ?久しぶりにウィスキー飲んだけど、こんなに焼けるような感覚だったっけ?
なんて思っていたら実はこれ、まだ若い原酒でアルコールが60%くらいあるらしいです!!
先に言ってよ!!
そこそこの量を一気にいっちゃったじゃん!!
そんなに強いわけじゃないんだから。
と、思いながらも落ち着いてゆっくり飲んでみるとなかなかおいしくなってくるもんですね。
2杯目のライトリーピーテッド原酒をちょっと警戒しながら少し飲んでみると、先ほどより明らかに薄い。
こちらは同じ原酒でもさらに熟成しているため、アルコール度数は一般的なウィスキーと同様の43%くらいでした。
1杯目がインパクトあったために物足りない感じはしましたが、単独で飲んだら結構ガツンときていたのかもしれません。
3杯目はお待ちかねの【白州】です。
ふたを開け、テイスティンググラスの中でウィスキーを回すと芳醇ないい香りが鼻に入ってきます。
そして、一口クイッと口に含んでみると、いろんな香りと味が口に広がります。
いままであまりウィスキーに知識がなく、スコッチ系のウィスキーを好んで飲んでましたが、日本のウィスキーってこんなにおいしかったんですね!!ってくらい美味しい!!
日本のウィスキーというと、【角】などの水割りにするとおいしいものっていうイメージだったんですが、完全に裏切られましたね。いい意味で。
この白州は品薄で、あと数年はあまり市場に出回らないそうなので残念ですね。
また、安定的に出回るのを待ちましょう。
最後の4杯目も白州ですが、こちらはグラスの奥に見えているサントリーの南アルプスの天然水スパークリングで割る、いわゆるハイボール用のため量が多くなっています。
個人的には白州は割らずにストレートかロックで飲んだほうが味も香りも楽しめるのでおススメしたいかなぁ。
さいごに
最近は企業が力を入れていることもあり、工場見学の人気が高いですよね。
私も仕事の関係で年一くらいのペースでいろいろなところに行っています。
興味深かったところなどを思い出しながら書いてみたいと思いますので、そのときにはどうぞよろしくお願いします。